旅行業界には、個人客を相手にするカウンター営業だけでなく、企業・団体を顧客とする「法人営業」という職種があります。MICE(会議・報奨旅行・コンベンション・展示会)の企画立案や、企業の出張手配を一括管理するビジネストラベル業務は、旅行業務取扱管理者の資格が直接的に評価される専門領域です。本記事では、法人営業職の仕事内容・MICE実務の概要・出張手配の仕組みから、旅行業務取扱管理者資格との関係・求められるスキル・就職転職の方法・キャリアパスまでを体系的に解説します。

旅行業界の法人営業職とは——BtoC営業との違いと業務全体像
BtoC営業(カウンター営業)との違い
旅行業界のBtoC営業は、店頭カウンターやウェブ経由で個人・ファミリーを対象にツアーや航空券・宿泊を販売する職種です。一方、法人営業は企業・官公庁・大学・団体などを顧客とし、社員旅行・研修旅行・国際会議・出張手配といった業務旅行を受託します。
個人顧客との取引は1件あたりの単価が数万~数十万円が中心ですが、法人契約は一度の受注で数百名規模のツアーや年間の出張手配を一括受注するため、取引規模が大きくなりやすい特徴があります。また、担当企業と長期的な関係を築く「アカウントマネジメント」の側面が強く、契約更新・アップセル・クロスセルが重要な業務指標となります。
交渉相手は総務部・人事部・経営企画部の担当者であることが多く、ビジネス文書の作成や費用対効果の提示など、BtoB特有のコミュニケーション能力が求められます。
法人営業が扱う主な業務領域
法人営業職の業務は大きく3領域に分かれます。第1はMICE(会議・報奨旅行・コンベンション・展示会)の企画・手配です。第2は企業の出張手配を一括管理するビジネストラベル(BT)業務です。第3は社員旅行・研修旅行・職場慰安旅行などの団体旅行の企画販売です。
いずれの領域においても、旅行業法に基づく契約締結・書面交付・旅程管理が必要であり、旅行業務取扱管理者の選任・監督が関わります。法人営業担当者が旅行業務取扱管理者資格を保有することで、現場判断の速さと顧客への説明精度が向上します。
大手旅行会社では法人営業専門の部署(法人事業部・MICE部門・ビジネストラベル部門)が独立して存在するケースが増えており、採用ニーズも継続的に発生しています。
法人営業が注目される背景
コロナ禍で激減した法人旅行需要は2023年以降に急回復し、国際会議・インセンティブツアー・展示会の開催件数が増加傾向にあります。加えて、大企業を中心に出張コストの可視化・管理強化の需要が高まっており、専門的な出張管理会社(TMC)や旅行会社の法人部門へのアウトソーシングが拡大しています。
インバウンド観光の拡大も法人営業に追い風をもたらしています。海外企業が日本で国際会議や報奨旅行を実施する案件では、日本語・英語の両方で折衝できる法人営業担当者の需要が生まれています。これらの背景から、法人営業は旅行業界の中でも採用が旺盛な職種として注目されています。
MICEビジネスと法人営業の実務
MICEの4分類と法人営業の関わり
MICEとはMeeting(会議・研修・セミナー)・Incentive travel(報奨旅行)・Convention/Conference(国際会議・学術大会)・Exhibition/Event(展示会・イベント)の頭文字を取った総称です。旅行会社の法人営業担当者は、これらの企画立案から実施・精算まで一貫して担当します。
Meetingは社内研修・新入社員研修・キックオフイベントなど比較的小規模なものから、数百名規模の全社大会まで幅広く含まれます。Incentive travelは営業成績上位者への報奨として設定される海外旅行で、渡航先の選定・プログラム設計・特別体験の手配など高度な企画力が求められます。
ConventionやExhibitionは学会・医学会・産業展示会など専門性の高い案件が多く、コンベンションビューロー(CVB)や会議場との折衝が伴います。MICEは単なる旅行手配にとどまらず、イベントプロデュースに近い性格を持つため、法人営業担当者の企画提案力が差別化要因となります。
コンベンションビューローとの連携
コンベンションビューロー(CVB)とは、国際会議や展示会を特定の都市・地域に誘致するための支援組織です。観光庁や各都道府県の観光部局が関与するものから、民間組織まで多様な形態があります。法人営業担当者は、CVBが提供する会場情報・助成金制度・地域視察プログラムを活用して、顧客企業への提案内容を充実させます。
CVBとの関係構築は、大規模国際会議の受注において重要な営業活動の一つです。CVBを通じて会場・宿泊施設・通訳サービスの一括調整が可能になるため、法人営業担当者はCVBの窓口担当者と定期的に情報交換する関係を築いておくと有利です。
国内でも東京観光財団・大阪コンベンション&ツーリズムビューロー・横浜観光コンベンション・ビューローなどが活動しており、法人営業担当者はこれらの支援制度を把握しておくことが実務上役立ちます。
MICE担当者の1日の業務例
MICE担当の法人営業担当者は、午前中に顧客企業とのオンライン打ち合わせや提案書の作成を行い、午後に会場・宿泊施設・交通機関への問い合わせ・在庫確認・見積作成を進めるのが典型的なスケジュールです。大型案件は複数社の相見積もり対応になることが多く、スピードと正確性の両立が求められます。
担当案件が実施フェーズに入ると、航空券・ホテルの予約確定・添乗員手配・現地オプション手配・緊急連絡体制の整備など、細部の実務が集中します。旅行業法上の書面交付義務(契約書・旅行条件書)の管理も担当業務に含まれます。
案件終了後は参加者アンケートの集計・費用精算・反省点のまとめを行い、次回提案に向けた関係維持活動に移行します。このサイクルを複数案件同時並行で回すため、プロジェクト管理能力が実務で重視されます。
出張手配(ビジネストラベル)の仕組みと業務
出張手配会社(TMC)の役割
TMC(Travel Management Company=出張管理会社)とは、企業の出張手配業務を一括受託する専門会社です。大手旅行会社の法人部門がTMC機能を持つケースと、TMC専業の会社が存在するケースがあります。企業はTMCと契約することで、社員が出張を申請してから航空券・宿泊の予約確認までを一元化・効率化できます。
TMCの法人営業担当者は、顧客企業ごとに設定された「コーポレート運賃」や「協定ホテル料金」を活用して出張コストを最適化するコンサルティングを提供します。単なる予約代行にとどまらず、出張管理システム(TMS)の導入支援・出張ポリシーの策定・コスト分析レポートの提供まで業務範囲が広がっています。
大手TMCとしては日本旅行・JTB・近畿日本ツーリストの法人部門のほか、アメリカン・エキスプレス・グローバル・ビジネス・トラベル(Amex GBT)・BCD Travel・CWT(カールソン・ワゴンリー・トラベル)などの外資系専業TMCがあり、グローバル企業の日本法人を中心に利用されています。
コーポレートプログラムと法人契約
航空会社や宿泊施設は大企業の出張需要を取り込むため、「コーポレートプログラム」と呼ばれる特別料金・優遇サービスを提供しています。法人営業担当者は、顧客企業と航空会社・ホテルチェーンの間に立ち、年間利用実績に基づく割引率・優先座席アップグレード・レイトチェックアウト特典などの交渉を担当します。
コーポレートプログラムの提案・契約締結は法人営業担当者の重要な付加価値の一つです。航空会社のコーポレート営業部門やホテルの法人営業との関係を維持し、条件改定交渉を定期的に行うことで、顧客企業の出張コスト削減に貢献できます。
また、鉄道会社が提供する法人向け割引制度(JR法人カードなど)や、レンタカー会社の法人契約なども組み合わせることで、出張手段全体を最適化する提案が可能になります。
出張コスト管理とレポーティング業務
近年、大企業を中心に出張費の可視化・削減が経営課題として浮上しており、TMCや旅行会社の法人部門には出張データの分析・レポーティング機能が求められるようになっています。法人営業担当者は、顧客企業の出張費を航空券・宿泊・交通費の別に集計し、前年比較・部署別・渡航先別などの視点でレポートを作成・提供します。
出張管理システム(TMS)やSAP Concur・オービックビジネスコンサルタント(OBC)などの経費精算システムとの連携対応も増えており、ITリテラシーが法人営業担当者に求められるスキルとして加わっています。
CO2排出量の可視化(サステナブル出張管理)も新たな付加価値として注目されており、出張1件あたりの炭素排出量を計算・報告する仕組みを提供するTMCも現れています。法人営業担当者がこうした新しい概念を理解して提案できると、ESGを重視する企業との関係強化につながります。
旅行業務取扱管理者資格と法人営業キャリア
資格が法人営業で評価される理由
旅行業務取扱管理者は、旅行業法に基づいて各営業所に必ず1名以上選任しなければならない国家資格者です。法人営業担当者が資格を持つことで、所属する営業所の選任管理者として登録される可能性があり、会社側にとっても採用・組織上のメリットがあります。
実務面では、旅行業法の書面交付義務・取消料規定・特別補償制度など、顧客への説明が必要な法的事項を的確に伝えられる能力が資格取得を通じて身につきます。法人顧客の担当者は取引条件の詳細を確認する傾向が強く、担当者が旅行業法の条文レベルで正確に説明できることは信頼構築に直結します。
また、総合旅行業務取扱管理者資格を持つ担当者は海外MICE・海外出張案件も取り扱えるため、インバウンド対応や海外法人顧客との取引でも活躍の幅が広がります。
国内と総合どちらを取るべきか
法人営業を目指すにあたり、国内旅行業務取扱管理者と総合旅行業務取扱管理者のどちらを取得すべきかは、目指すキャリアによって異なります。
| 比較項目 | 国内旅行業務取扱管理者 | 総合旅行業務取扱管理者 |
|---|---|---|
| 試験方式 | CBT方式(テストセンターでPC受験) | マークシート・指定会場 |
| 令和8年度 試験日 | 9月3日(木)~25日(金)から選択 | 10月25日(日) |
| 受験手数料(2026年8月時点) | 8,000円(非課税)+システム利用料660円 | 13,000円(非課税)+システム利用料660円 |
| 令和7年度 合格率 | 34.1%(全科目受験) | 26.1% |
| 取扱可能範囲 | 国内旅行の企画・手配 | 国内・海外旅行のすべて |
| 法人営業での活用 | 国内MICE・出張手配・社員旅行 | 海外MICE・グローバル出張・インセンティブツアー |
国内を中心とした業務を想定する場合は国内旅行業務取扱管理者から取得し、実務経験を積みながら総合へのステップアップを図る方法が現実的です。海外案件を最初から担当したい、または外資系TMCへの就職を目指す場合は、最初から総合旅行業務取扱管理者を目標とすることをおすすめします。
国内から総合へは科目免除制度が適用されるため、国内合格後に総合を受験する場合は「旅行業法および約款」科目が免除されます。段階的なステップアップを計画している方にとっては、国内取得が総合への近道になります。
資格取得がもたらすキャリア上のメリット
旅行業務取扱管理者資格の取得は、法人営業職へのエントリーで有利に働くだけでなく、入社後のキャリア形成にも継続的な影響をもたらします。資格保有者は選任管理者候補として評価されるため、昇進・部署異動の際に優遇されるケースがあります。
また、企業によっては資格手当が支給される制度を設けており、収入面でも資格取得のメリットを受けられます。金額は企業によって異なるため、採用選考時に確認することを推奨します。
資格取得の勉強過程で身につく旅行業法・約款・国際航空運賃の知識は、法人顧客への提案書作成・契約書確認・トラブル対応において実務直結の知識として機能します。資格取得は「試験に合格する」ことが目的ではなく、実務知識の体系化という副次的効果をもたらす点も法人営業職にとって大きな強みです。
法人営業職に求められるスキルと適性
ビジネスコミュニケーション能力
法人営業の顧客は企業の経費担当・総務担当・人事担当といったビジネスパーソンです。提案書・見積書・報告書の作成から、メールや電話でのやり取り、プレゼンテーションまで、ビジネス文書・ビジネスマナーに則ったコミュニケーションが求められます。
特にMICEの大型案件では、複数の意思決定者(実務担当・予算承認者・役員)に対して異なるレベルの説明を行う必要があります。現場担当者には実務的な手配の詳細を、役員には費用対効果と差別化ポイントを簡潔に説明する適応力が評価されます。
グローバル企業の法人顧客を担当する場合は英語でのメール対応・電話会議対応が必要なケースもあります。旅行業務取扱管理者試験の総合試験で出題される英語問題で身につく英語力は実務の入口として機能しますが、それを超えるコミュニケーション英語力は別途磨いておく必要があります。
旅行・交通・宿泊の専門知識
法人営業担当者には、航空券の予約クラス・コーポレート運賃の仕組み・乗継(トランジット・ストップオーバー)の取り扱い・ホテルのカテゴリと料金体系・旅行保険の種類など、旅行実務の幅広い知識が必要です。顧客から「ANAとJALのビジネスクラス特典比較を教えてほしい」「欧州出張をビジネストラベルポリシーに沿って最安値で手配したい」といった要求に即答できることが信頼獲得につながります。
旅行業務取扱管理者試験の学習を通じて、国際航空運賃の計算方式(NUC・MPM・ROE)・旅行業法の契約類型・標準旅行業約款の取消料規定などを体系的に学ぶことができます。これらは採用面接での説明力向上にも直結します。
宿泊施設については旅館業法の規制・チェックイン/アウト基準・サービス料の仕組みなど、顧客から問い合わせを受けた際に正確に答えられる知識が求められます。知識の幅と深さを日々更新し続ける姿勢が、長く法人営業で活躍するための前提条件です。
数字管理とITリテラシー
法人営業は売上目標・案件管理・費用精算など数字を扱う業務が多く、Excelを使った集計・グラフ作成・見積計算のスキルは基本要件です。大型MICE案件では数十のサプライヤーへの費用を一元管理する必要があり、スプレッドシートを使ったプロジェクト管理能力が実務で重要になります。
近年は出張管理システム(TMS)・CRM(顧客管理システム)・グループウェアを活用した営業管理が普及しており、これらのシステムに抵抗なく適応できるITリテラシーが求められます。SalesforceなどのCRMを日常的に使いこなす能力は、特に大手旅行会社の法人営業部門では標準的な要件になっています。
外国語対応が必要なグローバル案件では、Zoomやテレビ会議システムでのオンラインプレゼンテーション、英文の見積書・契約書の作成も求められます。ITリテラシーと外国語能力を組み合わせることで、より高単価・高難度の案件を担当できるキャリアへと発展させることができます。
法人営業職を目指す人のための適性チェックリスト
法人旅行営業への転職・就職を検討する方は、以下の項目でご自身の適性を確認してください。
- 企業の総務・経理・人事部門など管理系の担当者と円滑にコミュニケーションできる
- 複数の案件を同時並行で管理し、締切を守って成果物を仕上げる習慣がある
- 旅行・交通・宿泊に関する幅広い知識に興味があり、自発的に情報収集している
- 費用の積み上げ計算・比較見積・レポート作成をExcelやスプレッドシートで行える
- 数字(売上・コスト削減額・案件数)を根拠に提案・交渉ができる
- 旅行業務取扱管理者資格の取得に向けて学習を開始している、または取得済みである
- 新しいシステム・ツールへの適応を前向きに捉えられる
- 英語でのメール対応・電話対応に取り組む意欲がある
法人営業への就職・転職とキャリアパス
求人の探し方と狙い目の企業
旅行業界の法人営業職の求人は、旅行会社の採用ページ・就職転職サイト・業界専門の転職エージェントに掲載されます。JTBグループ・日本旅行・近畿日本ツーリスト・東武トップツアーズ・JTBビジネストラベルソリューションズなど大手旅行会社の法人部門のほか、Amex GBT・BCD Travelなど外資系TMCも定期的に採用を行っています。
中堅・中小の旅行会社でも法人営業担当を採用するケースはあり、大手に比べて担当案件の幅が広く、早期から多様な業務を経験できる利点があります。地方の旅行会社では地元企業の社員旅行・地域観光関連の団体旅行を主に扱い、地域に根差したキャリアを築きたい方に向いています。
転職エージェントを活用する場合は、旅行・観光業界に特化したエージェントに登録すると、法人営業の非公開求人にアクセスしやすくなります。エージェントに旅行業務取扱管理者資格の保有を伝えると、マッチング精度が向上します。
応募書類・面接対策のポイント
法人営業職の採用選考では、「なぜBtoC営業ではなく法人営業を選ぶのか」という志望動機の明確さが問われます。MICE・出張手配・ビジネストラベルの仕組みに関心を持つ理由と、それを実現するために旅行業務取扱管理者資格の取得や業界知識の習得に取り組んでいる姿勢を具体的に伝えることが重要です。
職務経歴書では、数字を使った成果の記述(担当顧客数・達成した売上・解決したトラブル事例など)が法人営業採用担当者の目に留まりやすくなります。旅行業界以外からの転職の場合は、前職でのBtoB営業経験・プロジェクト管理経験・顧客折衝経験を中心に整理してアピールします。
面接では旅行業法の基礎知識(旅行業者の定義・書面交付義務・約款の概要)について質問されることがあります。旅行業務取扱管理者の学習を通じてこれらの知識を習得しておくことで、専門性のある志望者として評価を高めることができます。
キャリアアップの方向性
法人営業としてキャリアを積んだ後の方向性は複数あります。第1は法人営業のリーダー・マネージャーへの昇進であり、担当顧客数・売上実績を積み上げながら後輩育成・案件管理の責任者へと成長するルートです。第2はMICEプランナー・コンベンションプロデューサーへの専門化であり、大型国際会議や報奨旅行のプロとして高単価案件を専任するキャリアです。
第3は旅行業務取扱管理者として選任管理者になり、営業所の業務品質管理・コンプライアンス対応を担うポジションへの転換です。規模の大きい旅行会社では、選任管理者のキャリアが部長・本部長クラスへの昇進ルートと連動していることがあります。第4は旅行業界を超えた独立・開業であり、旅行業務取扱管理者資格を持ちながら地域限定旅行業や第3種旅行業として地域観光ビジネスを立ち上げるパスです。
いずれの方向性においても、旅行業務取扱管理者資格の取得は出発点として機能します。国内から総合へのステップアップを計画的に進め、英語力・ITスキル・業界ネットワークを並行して拡充することで、旅行業界の法人営業領域における長期的なキャリアを構築することができます。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 旅行業界の法人営業は未経験でも転職できますか?
未経験からの転職は可能です。特に前職でBtoB営業・法人向けサービス業・プロジェクト管理を経験している場合は、旅行業界の法人営業職への転職が現実的な選択肢となります。旅行業務取扱管理者資格を取得中または取得済みであること、旅行・交通・宿泊に関する基礎知識を自主学習していることをアピールすると選考が有利に進みやすくなります。
Q2. MICE担当になるために特別な資格は必要ですか?
法律上、MICE担当に特定の資格取得義務はありません。ただし、旅行業務取扱管理者資格は旅行会社の業務全般に関わる国家資格であり、MICE担当者が保有することで選任管理者としての役割を担える点から、実務上・採用上の評価につながります。MICEの専門認定として国内外にいくつかの民間資格が存在しますが、まず旅行業務取扱管理者から着手するのが王道のルートです。
Q3. 国内旅行業務取扱管理者と総合旅行業務取扱管理者では試験の難易度はどの程度違いますか?
令和7年度実績では、国内が34.1%(全科目受験)、総合が26.1%の合格率でした。総合は海外旅行実務・国際航空運賃の計算が出題範囲に加わるため、学習量は国内より多くなります。法人営業職への就職を急いでいる場合は国内から取得し、総合へのステップアップを計画するのが現実的な方法です。
Q4. 出張手配(ビジネストラベル)専門のTMCへの就職は難しいですか?
外資系TMCは英語力を重視する傾向が強く、日常業務レベルの英語でのメール・電話対応が求められます。国内TMC機能を持つ大手旅行会社の法人部門は日本語主体で業務が回っている職場が多く、英語力の要求水準は企業・案件によって異なります。まず国内旅行会社の法人部門でキャリアをスタートし、英語力と実務経験を積んでから外資系TMCへの転職を目指すルートをとる方も多いです。
Q5. 旅行業務取扱管理者試験の受験申込はどのように行うのですか?
国内旅行業務取扱管理者はインターネット申込のみ(全国旅行業協会・ANTA のウェブサイト)で、書面申請は受け付けていません。総合旅行業務取扱管理者は日本旅行業協会(JATA)のウェブサイトからインターネット申込を行います。申込期間・受験手数料・試験日程は年度によって変わるため、最新情報は各主催団体の公式サイトでご確認ください。
Q6. 法人営業職の年収は個人顧客担当と比べて高いですか?
一般的に、大型案件を担当するMICE専任職や外資系TMCの法人営業担当は、成果連動型の給与体系をとる企業が多く、成約規模によっては収入が大きくなる傾向があります。ただし年収は企業規模・地域・経験年数・資格保有状況によって幅があるため、採用選考時に確認することを推奨します。旅行業務取扱管理者資格の保有が資格手当の対象となる場合は、その分が収入に上乗せされます。
旅行業界の法人営業職に関心のある方には、旅行業務取扱管理者資格の取得を出発点として、業界知識と実務スキルを着実に積み上げることをおすすめします。通信講座を活用した効率的な学習方法は、以下のページで詳しく紹介しています。

