令和8年度 総合旅行業務取扱管理者試験は2026年10月25日(日)に全国の指定会場で実施されました。試験を終えた今、自己採点の方法・合格発表の待ち方・合格後の手続きから不合格時の令和9年度再挑戦プランまで、受験後に知っておくべき全アクションを体系的に解説します。

令和8年度 総合試験の基本情報と受験後の確認事項
令和8年度の試験日・受験手数料の確認
令和8年度 総合旅行業務取扱管理者試験は、2026年10月25日(日)10時30分に実施されました(日本旅行業協会(JATA)令和8年度受験要項)。受験手数料は13,000円(非課税)、インターネット申込に伴うシステム利用料は660円(税込)で、合計13,660円が受験にかかった費用です。
試験はマークシート方式で、指定された全国の試験会場で受験します。出題は旅行業法施行規則第12条第1項に基づく4科目(旅行業法及びこれに基づく命令・旅行業約款等・国内旅行実務・海外旅行実務)で構成されており、全科目の合計点と各科目の得点要件の両方を満たすことが合格条件です。
令和7年度の実績から合否見通しを立てる
令和7年度(2025年度)の総合試験では、受験者数4,519名に対して合格者数1,179名、合格率は26.1%でした(JATA 令和7年度実施結果。2026年8月時点)。約4人に1人が合格するという実態を踏まえると、試験の難度はけっして低くありません。令和8年度の合格率はJATAが合格発表時に公表するため、現時点では令和7年度の実績値を目安の参考にしてください。
自己採点の結果を令和7年度の合格ライン水準と照らし合わせることで、おおよその合否見通しを立てることができます。ただし、年度ごとに問題の難易度が変動するため、自己採点だけで合否を確定させず、公式の合格発表を待つことが大切です。
合格発表の時期と確認方法
合格発表の日程は、例年試験から1か月半~2か月程度を目安に行われています。具体的な発表日はJATAのウェブサイトで公表されるため、受験要項またはJATAの公式案内ページを定期的に確認してください。合格者の受験番号がJATAのサイトに掲載されるとともに、合格者には合格証書が郵送されます。
合格発表日当日はJATAのサイトへのアクセスが集中することがあります。受験番号を事前にメモしておき、混雑が落ち着いてからアクセスするとスムーズです。住所変更がある場合は速やかにJATAへ連絡し、合格証書が正しい住所へ届くよう手配してください。
受験直後にやるべき自己採点の手順
JATAの公式解答速報を待つことが大前提
自己採点はJATAが公表する公式の解答を使って行うことが大前提です。試験直後からインターネット上にさまざまな速報が出回りますが、非公式の速報には誤りが含まれる場合があります。特に計算問題や条文解釈に関する問題では、解釈の差によって正答が変わることもあるため、JATAの公式解答が発表されてから採点することをおすすめします。
JATAの公式解答の発表時期は受験要項に記載されています。試験当日または数日以内に発表されることが一般的ですが、正確な時期はJATAのウェブサイトでご確認ください。
科目別得点を整理して弱点を可視化する
総合試験の合否は、全科目の総合点だけでなく、各科目の得点要件も満たす必要があります。自己採点では必ず4科目それぞれの得点を計算し、科目別に記録することが重要です。「全体は合格水準でも特定科目が足りなかった」という状況は実際に起こりうるため、科目ごとの見通しを立てておきましょう。
採点結果は表形式で整理すると分かりやすくなります。科目名・問題数・自己採点得点・正答率を一覧にして記録しておくことで、合格発表後の振り返りにも活用できます。試験直後は記憶が新鮮なので、問題冊子に書き込んだ解答をすぐにメモしておくことをおすすめします。
自己採点後の精神的な折り合いのつけ方
自己採点の結果が良好な場合は、次のステップの準備を前向きに進めることができます。一方、ボーダーライン前後や不合格の見込みが強い場合は、気持ちが落ち込むこともあるでしょう。試験への挑戦そのものが、旅行業の制度・法令・実務について深く学ぶ機会になっています。その知識は、資格取得後の業務においても確実に活きます。
合格発表まで結果は確定しません。自己採点はあくまでも目安であり、問題冊子の書き込みミスや解答番号のズレなどで実際の得点と差が出ることもあります。結果に一喜一憂しすぎず、次のアクションへ意識を向けることが大切です。
合格発表までの期間を有効活用する方法
合格の見込みが高い場合の先取り準備
自己採点の結果、合格の可能性が高いと判断できる場合は、合格後の手続きを事前に確認しておくと発表後にスムーズに動けます。旅行業者等(事業者)への選任の手続き、合格証書の受け取り先住所の確認、勤務先での選任届出に必要な書類などを把握しておきましょう。
特に転職・就職活動を視野に入れている場合は、合格証書が手元に届く前でも「合格見込み」として採用担当者に伝える準備を整えることができます。旅行業者にとって旅行業務取扱管理者は営業所運営に不可欠な存在であるため(旅行業法第11条の2第1項)、資格保有者の採用ニーズは高い傾向があります。
ボーダーライン前後の場合の過ごし方
自己採点の結果がボーダーライン前後の場合は、合格・不合格の両方のシナリオを想定して過ごすことが合理的です。合格の場合の準備と、不合格の場合の令和9年度対策の情報収集を並行して進めておくことで、いずれの結果にも素早く対応できます。
この期間に、令和9年度の通信講座の情報収集や資料請求を始めることも有効です。複数の通信講座を比較検討する時間は十分にあるため、焦らず自分に合った学習スタイルを探しましょう。
科目合格制度の仕組みを把握する
総合旅行業務取扱管理者試験には、科目合格(一部科目の免除)制度があります。全科目合格には届かなかった場合でも、特定科目で基準点以上を取得した科目については、翌年度の同じ試験でその科目が免除されます(旅行業法施行規則第20条第3号~第6号)。免除の対象科目は「国内旅行実務」と「海外旅行実務」です。
ただし、科目合格の免除は自動的に適用されません。申請が必要であり、科目合格証明書をJATAへ申請し、次年度の受験申込時に添付する手続きが必要です(施行規則第13条第2項)。また、旅行業約款等の科目はいかなる区分でも免除されません(JATA令和8年度受験要項の全区分で約款は受験科目として記載)。合格発表後に科目合格の有無を確認し、速やかに証明書の申請手続きを行ってください。
合格した場合の手続きと選任のポイント
合格証書の受け取りと大切な保管方法
試験に合格すると、JATAから合格証書が郵送されます。合格証書は旅行業者への就職・転職の際の資格証明や、旅行業者等の営業所への選任届出で使用する重要な書類です。一度紛失すると再発行の手続きが必要となりますが、手続きに時間がかかることもあるため、大切に保管してください。
デジタルスキャンを撮影して複数の場所(クラウドストレージ・外付けストレージなど)に保存しておくと、万一の紛失時にも証明情報を確認できます。転職・就職活動で合格証書のコピーが必要となる場面は多いため、受け取り後早めにスキャンしておくことをおすすめします。
旅行業者への選任届出の流れ
資格を業務に活用するには、旅行業者等の営業所に旅行業務取扱管理者として選任される必要があります。旅行業者等(事業者)は、営業所ごとに旅行業務取扱管理者を1人以上選任し、旅行業務の管理・監督を行わせなければなりません(旅行業法第11条の2第1項)。選任されていない状態では、営業所は旅行契約の締結が禁じられます(同第2項)。
選任後、旅行業者は行政庁への届出を行います。第1種旅行業は観光庁長官、第2種・第3種・地域限定旅行業は主たる営業所の所在地の都道府県知事が登録事務を担当しています(旅行業法第67条・旅行業法施行令第5条第1項)。届出の書類・手続きは旅行業者が行うものですが、選任された管理者として内容を把握しておくと実務に役立ちます。
合格後のキャリア活用チェックリスト
- 合格証書が届いたらスキャンして複数箇所に保存する
- 勤務先の旅行業者へ選任の意向を伝え、手続きを確認する
- 選任届出後は管理監督業務(旅行業法第11条の2各項の9項目)の内容を確認する
- 選任後は定期研修の受講義務が発生することを把握しておく(旅行業法第11条の2第7項)
- 転職・就職活動で資格をアピールする際は合格証書のコピーを準備する
- 科目合格を活用して次の試験区分へのステップアップを検討する
- 名刺・履歴書への資格記載の表記方法を確認する(「総合旅行業務取扱管理者」が正式名称)
不合格だった場合の令和9年度再挑戦プラン
科目免除制度を活用した効率的な再受験
今回の試験で特定科目が基準点以上だった場合、翌年度(令和9年度)の総合試験でその科目の免除を申請することができます(施行規則第20条第3号~第6号)。免除対象科目は「国内旅行実務」または「海外旅行実務」であり、合格発表後に科目合格証明書をJATAから取得して申請します。免除は必ず申請手続きが必要で、申請しなければ全科目受験となります(施行規則第13条第2項)。
| 受験者の状況 | 令和9年度総合試験で免除できる科目 | 注意事項 |
|---|---|---|
| 国内旅行業務取扱管理者に合格済み | 旅行業法・国内旅行実務の2科目(施行規則第20条第1号) | 申請必須。JATA受験申込時に証書番号の入力と画像アップロードが必要 |
| 今回の総合試験で「国内旅行実務」科目合格 | 国内旅行実務の1科目(同第3号) | JATAから科目合格証明書を取得して申請。自動適用されない |
| 今回の総合試験で「海外旅行実務」科目合格 | 海外旅行実務の1科目(同第5号) | 次回の総合試験のみ有効。国内試験には持ち越せない |
| 地域限定旅行業務取扱管理者に合格済み | 旅行業法の1科目(同第2号) | 申請必須 |
| 科目合格なし・他資格なし | 免除なし(全4科目受験) | 早期スタートで総合力を底上げする戦略が有効 |
| いずれの状況でも共通 | 旅行業約款等は免除不可 | 約款科目はすべての試験区分・すべての免除パターンで受験必須 |
令和9年度に向けた学習スタート時期の判断
令和9年度総合試験は例年10月に実施される見込みです(正確な日程はJATAの公式発表をご確認ください)。今から準備を開始すれば、約12か月の学習期間を確保できます。科目免除がある場合は残りの科目に集中できるため、学習量を効率化することが可能です。
再挑戦を決めたら、今回の受験経験を踏まえた弱点分析が最初のステップです。自己採点の結果、どの科目・どの論点が不足していたかを具体的に把握することで、次の学習計画をより精度高く設計できます。特に苦手意識の強い分野(例えば海外旅行実務の国際航空運賃計算や旅行業約款の数字)は、早期から計画的に取り組むことが合格への近道です。
通信講座を選び直す際のポイント
今回独学で挑戦して不合格になった場合や、通信講座を受講したが十分な成果が得られなかった場合は、学習方法・教材の見直しを検討しましょう。通信講座を選ぶ際は、教材の質・添削指導の有無・質問サポート体制・受講期間の延長制度・科目別のカリキュラムの細かさなどを比較することが重要です。
令和9年度試験に向けた通信講座の多くは、すでに受講受付を開始しているか、間もなく開始する予定です。資料請求や無料体験を活用し、自分の学習スタイルに合った講座を選んでください。通信講座の費用は、専門実践教育訓練給付金(一定の条件を満たす場合)を活用することで一部負担を軽減できる場合があります。
受験経験を次に活かす振り返りと学習継続の術
試験後の振り返りノートの作り方
試験直後は問題の記憶が鮮明なうちに振り返りノートを作成することをおすすめします。どの設問に迷ったか・どの条文の番号が出なかったか・計算ミスをした問題はどれかなど、具体的なつまずきポイントを書き留めておきます。合格・不合格に関わらず、このノートは次の学習計画に直結する最も価値ある資料になります。
振り返りノートには以下の項目を記録すると効果的です。科目名とその得点(自己採点)、解答に迷った問題の番号と理由、正答を書けなかった条文・数字・用語の一覧、見直しの時間配分と時間不足だった科目などです。これらを記録することで、自分の学習上の課題が客観的に見えてきます。
苦手分野の特定と令和9年度の重点学習計画
振り返りノートをもとに、科目別の正答率や論点別の弱点を整理します。例えば、旅行業法は理解しているが約款の細かい条文が曖昧だった、海外旅行実務の計算問題に時間がかかりすぎたといった傾向が見えてきます。これらの弱点を把握することで、令和9年度に向けた重点学習の優先度を設定できます。
一般的に、旅行業法は条文の構造を理解することで安定した得点が得やすく、約款科目は暗記と条文の読み込みの反復が有効です。国内旅行実務と海外旅行実務は計算問題の演習量が得点に直結するため、弱点が判明したら早期に演習量を増やすことをおすすめします。
合否にかかわらず今すぐ始めるべきこと
合格の見込みが高い方は、合格証書が届いた後の手続きや旅行業界でのキャリア活用に向けて動き始める準備をしましょう。不合格の見込みが強い方は、気持ちが落ち着いたタイミングで令和9年度に向けた学習を少しずつスタートさせることが、長い目で見ると効率的です。
いずれの場合も、今回の挑戦で得た知識はゼロになるわけではありません。旅行業法の条文・約款のルール・国内外の旅行実務の知識は、旅行業界での実務やキャリアにおいて直接役立つものです。旅行業者等(事業者)に営業所ごとの選任が義務付けられている資格であるため(旅行業法第11条の2第1項)、資格保有者としての市場価値は確実に高まります。
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受験後によくある質問(FAQ)
Q. 合格発表はいつ・どこで確認できますか?
合格発表の日程は日本旅行業協会(JATA)のウェブサイトで公表されます。例年、試験から1か月半~2か月程度で発表が行われますが、令和8年度の正確な発表日はJATAの公式サイトまたは受験要項でご確認ください。合格者の受験番号がJATAのサイトに掲載されるとともに、合格証書が郵送されます。住所変更がある場合は事前にJATAへ連絡してください。
Q. 自己採点でボーダーライン前後の場合はどうすればよいですか?
自己採点はあくまでも目安です。問題冊子への書き込みミスや解答番号のズレなどで実際の得点と差が生じることがあります。ボーダーライン前後の場合は、JATAの公式解答発表後に正確に採点し直し、合格発表まで最終的な判断を保留することをおすすめします。その間、合格・不合格それぞれの場合の準備を並行して進めておくと、発表後に素早く行動できます。
Q. 科目合格証明書はどのように取得できますか?
科目合格証明書は合格発表後にJATAへ申請します。申請方法と申請期限の詳細はJATAのウェブサイトまたは受験要項でご確認ください。この証明書は翌年度(令和9年度)の受験申込時に免除申請のために提出するものです。申請しなければ全科目受験となりますので、科目合格があった場合は必ず申請手続きを行ってください(旅行業法施行規則第13条第2項)。
Q. 合格した資格に有効期限はありますか?
旅行業務取扱管理者の資格には有効期限がなく、更新手続きも不要です。一度合格すれば資格は恒久的に有効です。ただし、旅行業者等の営業所に選任された後は定期研修の受講義務が課されます(旅行業法第11条の2第7項。2018年改正で新設)。選任されていない間はこの研修義務は発生しません。
Q. 国内旅行業務取扱管理者に合格済みで今回総合を受験した場合、科目免除は自動的に適用されましたか?
科目免除は自動的に適用されません。受験申込時に申請が必要です(旅行業法施行規則第13条第2項)。JATA受験要項では、証書番号の入力と資格証書の画像アップロードを行わなければ免除が適用されない仕組みです。今回の申込時に手続きを行った方には免除が適用されていますが、申請し忘れた方は全4科目の受験となっています。次回受験の際は申請漏れがないよう注意してください。
Q. 今回の総合試験の科目合格を来年の国内試験に活用できますか?
できません。総合旅行業務取扱管理者試験の科目合格(「国内旅行実務」または「海外旅行実務」の科目合格)は、翌年度の同じ総合試験のみで有効です。国内旅行業務取扱管理者試験に持ち越すことはできません(JATAの受験要項)。科目合格制度の適用範囲は同じ試験区分内に限られますので注意してください。
Q. 不合格でも令和9年度にすぐ再挑戦できますか?
はい、受験回数に制限はないため、令和9年度にすぐ再挑戦できます。科目合格がある場合は免除制度を活用すれば残りの科目に集中できるため、今回の経験を活かした効率的な学習が可能です。令和9年度の試験日程・申込期間はJATAの公式サイトで発表されます。受験を検討される場合は、申込期間に遅れないよう早めに確認してください。また、通信講座の受講期間を考慮し、今から学習準備を始めることをおすすめします。

