東北地方は旅行業務取扱管理者試験の国内地理科目で毎年出題される重要エリアです。白神山地・平泉の世界遺産から松島・蔵王の景勝地、乳頭温泉・銀山温泉の名湯まで、覚えるべきスポットは多岐にわたります。本記事では青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県を体系的に整理し、試験で差がつく頻出ポイントと効率的な暗記法を徹底解説します。

旅行業務取扱管理者試験における国内地理「東北」の出題傾向
東北地方が占める出題ウェイト
国内旅行業務取扱管理者試験は令和8年度もCBT(Computer Based Testing)方式で実施されます。全国47都道府県のテストセンターで受験者が日時を選んで受験できる方式で、令和8年度の試験期間は2026年9月3日(木)から9月25日(金)の間に設定されています(2026年8月時点・全国旅行業協会(ANTA)受験案内より)。
地理科目では全国を地方ごとに問う問題が繰り返し出題され、東北6県はそれぞれの特産品・景勝地・温泉・祭りを問うパターンが主流です。松島(宮城)・平泉(岩手)・白神山地(青森・秋田)の3点は特に頻出であり、「どの県にあるか」という基本情報に加えて「世界遺産か特別名勝か」という指定区分まで把握することが得点力に直結します。
国内地理は暗記科目ですが、東北は自然系・文化系の遺産が豊富なため、一度整理すると関連知識が連鎖して覚えやすくなります。白神山地のブナ林(自然遺産)から平泉の浄土庭園(文化遺産)まで、背景ストーリーと組み合わせると記憶の定着率が上がります。
東北地理の頻出テーマと問われ方
東北地理で出題されるテーマは大きく5種類に分類できます。①世界遺産(白神山地・平泉・縄文遺跡群)、②景勝地・国立公園(松島・十和田湖・磐梯山など)、③温泉地(乳頭温泉・鳴子温泉・銀山温泉など)、④祭り(青森ねぶた祭・秋田竿燈まつり・仙台七夕まつり・山形花笠まつり)、⑤特産品・食文化(南部鉄器・こけし・牛タンなど)です。
試験問題では「次のうち岩手県にあるものはどれか」「白神山地が位置する県の組み合わせとして正しいものはどれか」といった設問形式が多く見られます。複数の県にまたがるスポット(白神山地・縄文遺跡群・蔵王)については、各県の範囲を正確に把握することが重要です。
青森県の頻出観光スポット完全解説
世界遺産と三大観光地
青森県の最重要スポットは2件の世界遺産です。1993年に日本初の世界自然遺産として登録された白神山地は、原生的なブナ林が広がる山岳地帯で、青森県と秋田県にまたがります。登録区域の大部分は青森県南西部に集中しており、核心地域では自然保護のため入山に規制があります。試験では「青森と秋田の2県にまたがる」という点が繰り返し問われます。
2021年に世界文化遺産登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」には青森県の三内丸山遺跡(青森市)が含まれます。縄文時代中期の大型集落遺跡で、復元建物が整備された観光施設としても人気の高いスポットです。
自然景観としては、国特別名勝・天然記念物に指定された奥入瀬渓流(十和田市)が重要です。十和田湖から流れ出る渓流で、コケに覆われた岩や苔むした木々が続くトレッキングコースが整備されています。十和田湖は青森・秋田両県にまたがる二重式火山湖で、多くの観光客が訪れる景勝地です。また恐山(むつ市)は下北半島に位置する霊山で、弘前城(弘前市)は現存天守を持つ観光名所として出題されます。
温泉・祭りと試験対策ポイント
青森の温泉で最も頻出なのが酸ヶ湯温泉(青森市)です。八甲田山麓に位置する硫黄泉で、昭和29年に国民保養温泉地の第1号に指定された由緒ある温泉です。千人風呂と呼ばれる大型の混浴浴場が名物で、豪雪地帯としても知られます。浅虫温泉(青森市)は青森湾に面した温泉街で「東北の熱海」とも称されます。
祭りでは青森ねぶた祭(青森市・8月)と弘前ねぷたまつり(弘前市・8月)の区別が試験頻出です。ねぶた(青森市)は武者絵を描いた大型灯籠山車、ねぷた(弘前市)は扇形の灯籠が特徴で、名称と開催地をセットで記憶することが重要です。五所川原の「立佞武多(たちねぷた)」も高さ20mを超える大型山車として知られ、区別して覚えておくと安心です。
岩手県の頻出観光スポット完全解説
平泉・世界遺産と三陸海岸
岩手県の最重要スポットは2011年に世界文化遺産登録された平泉(西磐井郡平泉町)です。登録名称は「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」で、奥州藤原氏三代(清衡・基衡・秀衡)が栄えた12世紀の仏教文化遺産群です。構成資産は中尊寺(金色堂)・毛越寺・観自在王院跡・無量光院跡・金鶏山の5件で、試験では構成資産の名称と件数が問われます。
三陸海岸は岩手県東部から宮城県にかけて続くリアス式海岸で、豊かな漁場と美しい景観が共存します。浄土ヶ浜(宮古市)は白い流紋岩の岩礁群が広がる景勝地で、三陸復興国立公園の中核スポットです。猊鼻渓(一関市)は舟下りで知られる特別名勝に指定された峡谷です。厳美渓(一関市)も特別名勝・天然記念物に指定された渓谷で、猊鼻渓は舟下り、厳美渓は「空飛ぶだんご(郭公だんご)」という名物で区別すると記憶に残ります。
温泉地と岩手の名所スポット
岩手の温泉で特に頻出なのが花巻温泉郷です。花巻市に点在する温泉群(台温泉・新湯本温泉・鉛温泉・花巻温泉など)の総称で、宮沢賢治の故郷として知られる花巻市に位置します。鉛温泉(花巻市)は「白猿の湯」と呼ばれる深い立湯(立ったまま入るスタイル)が特徴的な名湯です。
盛岡市には盛岡城跡(岩手公園)があり、日本百名城に選ばれています。小岩井農場(岩手郡雫石町)は日本三大農場のひとつとして知られ、乳牛・ジャージー牛の放牧景観がある観光牧場として人気です。盛岡さんさ踊り(8月)は太鼓を叩きながら踊る民俗行事で、岩手を代表する祭りとして出題されることがあります。
宮城県の頻出観光スポット完全解説
松島・仙台と伊達家の史跡
宮城県で最も重要なスポットが松島(宮城郡松島町)です。日本三景のひとつとして広く知られ、松島湾内に大小260余りの島が点在します。近隣には国宝の瑞巌寺があり、伊達政宗が江戸初期に建立した禅宗寺院として歴史的価値があります。試験では「日本三景のひとつとして松島を選ぶ」問題のほか、「瑞巌寺の所在地」として問われることもあります。
仙台市は東北最大の都市で「杜の都」の別称があります。仙台城跡(青葉城址)は仙台市街を一望する丘に位置し、伊達政宗騎馬像が観光シンボルです。仙台七夕まつり(8月6日~8日)は東北三大祭りのひとつで、豪華絢爛な七夕飾りが商店街に並ぶ全国的に知名度の高い祭りです。仙台の名物として牛タン・ずんだが試験の地域特産品問題で問われることがあります。
蔵王と宮城の温泉地
蔵王山は宮城県と山形県の県境に位置する火山群で、宮城側と山形側で異なる観光資源を持ちます。宮城側には遠刈田温泉(柴田郡蔵王町)があり、伝統こけしの産地としても知られます。冬期のスキーリゾートと「樹氷(アイスモンスター)」は山形・宮城両側から楽しめます。
鳴子温泉(大崎市)は「こけしの里」として広く知られ、東北を代表するこけし産地のひとつです。含硫黄泉をはじめ多様な泉質が集まる温泉地でもあります。秋保温泉(仙台市太白区)と作並温泉(仙台市青葉区)は「仙台の奥座敷」と呼ばれ、城下町・仙台への観光拠点として機能しています。
秋田・山形・福島の頻出観光スポット完全解説
秋田県:乳頭温泉・角館・田沢湖
秋田県で最も試験に頻出する観光地が乳頭温泉郷(仙北市)です。田沢湖高原の山中に点在する7つの一軒宿群(鶴の湯・妙乃湯・黒湯・孫六・蟹場・大釜・休暇村乳頭温泉郷)で構成され、日本を代表する秘湯として全国的な知名度を誇ります。
田沢湖(仙北市)は日本一の深度(最大深度423.4m)を誇る湖で、透明度が高くコバルトブルーの湖水が特徴です。湖岸の「たつこ像」が観光シンボルとなっています。角館(仙北市)は武家屋敷群が保存された「みちのくの小京都」で、枝垂れ桜並木と相まって全国から観光客が集まります。
秋田竿燈まつり(秋田市・8月)は東北三大祭りのひとつで、竿燈と呼ばれる大型提灯飾りを体の各部(額・腰・肩など)でバランスをとって演じる「妙技」が見どころです。また玉川温泉(仙北市)は日本有数の強酸性泉として知られ、療養目的の利用者に人気の温泉地です。
山形県:蔵王・最上川・銀山温泉
山形県の最重要スポットのひとつが蔵王温泉(山形市)です。酸性硫黄泉の大型スキーリゾートとして知られ、冬の樹氷(アイスモンスター)観光でも人気を集めます。最上川は全長229kmの一級河川で、松尾芭蕉が「五月雨を集めてはやし最上川」と詠んだことで著名です。最上峡での舟下り体験は山形を代表する観光アクティビティです。
山寺(立石寺)(山形市)は860年に慈覚大師が開いた天台宗の古刹で、松尾芭蕉が「閑さや岩にしみ入る蝉の声」を詠んだ地として全国に知られています。1015段の石段を登る参拝コースが観光の目玉です。銀山温泉(尾花沢市)は大正時代の洋風建築が立ち並ぶ温泉街で、レトロな景観が人気を博しています。
祭りでは山形花笠まつり(山形市・8月)が東北四大祭りのひとつとして出題されます。紅花で飾った菅笠(花笠)を手に「ヤッショ、マカショ」の掛け声とともに踊る伝統芸能で、東北三大祭りとは構成が異なる点に注意が必要です。
福島県:会津・裏磐梯・奥州三名湯
福島県の重要観光地は歴史・温泉・自然の3軸で整理できます。会津若松市には鶴ヶ城(会津若松城)があり、幕末の戊辰戦争(会津戦争)の舞台として歴史好きに人気です。赤瓦の天守閣が特徴で、会津藩の歴史を伝える観光名所として定着しています。
温泉では飯坂温泉(福島市)・東山温泉(会津若松市)・磐梯熱海温泉(郡山市)が「奥州三名湯」として知られています。裏磐梯(耶麻郡北塩原村)は1888年の磐梯山噴火によって生まれた数百の湖沼群(五色沼・桧原湖・小野川湖など)からなる自然景観地で、磐梯朝日国立公園の一部です。五色沼は湖水の成分や光の角度によって色が変わる神秘的な景観で観光客に親しまれています。
東北の世界遺産・主要景勝地を一覧で整理
| 県名 | 世界遺産 | 主要景勝地 | 代表温泉 | 代表祭り |
|---|---|---|---|---|
| 青森 | 白神山地(自然)・縄文遺跡群(三内丸山遺跡) | 奥入瀬渓流・十和田湖・恐山・弘前城 | 酸ヶ湯温泉・浅虫温泉 | 青森ねぶた祭・弘前ねぷたまつり |
| 岩手 | 平泉(文化)・縄文遺跡群(御所野遺跡) | 猊鼻渓・厳美渓・浄土ヶ浜・小岩井農場 | 花巻温泉郷・鉛温泉 | 盛岡さんさ踊り |
| 宮城 | なし | 松島(日本三景)・仙台城跡・瑞巌寺 | 鳴子温泉・秋保温泉・作並温泉 | 仙台七夕まつり |
| 秋田 | 白神山地(自然)・縄文遺跡群(大湯環状列石) | 田沢湖(日本一深い湖)・角館武家屋敷 | 乳頭温泉郷・玉川温泉 | 秋田竿燈まつり |
| 山形 | なし | 山寺(立石寺)・最上峡・蔵王樹氷 | 蔵王温泉・銀山温泉 | 山形花笠まつり |
| 福島 | なし | 裏磐梯・五色沼・鶴ヶ城(会津若松) | 飯坂温泉・東山温泉・磐梯熱海温泉 | 会津まつり |
東北地理を効率よく暗記する学習法
地図を使った視覚的な整理法
東北6県の地理を効率よく覚えるには、白地図への書き込みが最も効果的です。県境・主要観光地・温泉地を色分けして書き込むことで、「どの県に何があるか」が視覚的に定着します。白神山地が青森と秋田の2県にまたがること、蔵王が宮城・山形の県境に位置すること、縄文遺跡群に山形・宮城・福島が含まれないことなど、複数県にまたがる知識は地図で確認すると理解が深まります。
通信講座の教材には、試験頻出のポイントを色付きで示した地図教材が含まれることが多く、市販テキストの地図ページを手元に置きながら学習する方法も有効です。視覚的な記憶は繰り返しの問題演習と組み合わせることで、より強固な記憶として定着します。
「世界遺産・景勝地・温泉・祭り」の4軸整理法
各県の情報を「①世界遺産 ②景勝地 ③温泉 ④祭り」の4軸でノートに一覧化すると、試験の設問形式に合わせた記憶整理ができます。特に世界遺産については「自然遺産か文化遺産か」「どの県が含まれるか」「登録年は何年か」の3点を抑えると、引っかけ問題にも対応できます。
白神山地(1993年・自然遺産・青森+秋田)、平泉(2011年・文化遺産・岩手)、縄文遺跡群(2021年・文化遺産・青森+岩手+秋田)の3件をセットで整理すると迷わず答えられるようになります。なお山形・宮城・福島の3県には現時点で世界遺産がない点も合わせて覚えておきましょう。
試験直前の確認チェックリスト
試験前日・当日は以下のチェックリストで抜け漏れを最終確認しましょう。
- 白神山地は青森県と秋田県の2県にまたがる(宮城・岩手・山形・福島は含まない)
- 平泉の構成資産は5件(中尊寺・毛越寺・観自在王院跡・無量光院跡・金鶏山)
- 縄文遺跡群は北海道・青森・岩手・秋田のみ(山形・宮城・福島は含まない)
- 松島は日本三景のひとつ(天橋立・宮島と3つで「日本三景」)
- 田沢湖は日本一深い湖(最大深度423.4m・秋田県仙北市)
- 東北三大祭りは青森ねぶた祭・秋田竿燈まつり・仙台七夕まつり(すべて8月)
- 猊鼻渓(岩手・一関市)は舟下りで知られる特別名勝
- 酸ヶ湯温泉(青森・八甲田山麓)は昭和29年に国民保養温泉地第1号に指定
- 鳴子温泉(宮城)はこけしの産地として全国的に有名
- 銀山温泉(山形・尾花沢市)は大正期の建築が残るレトロ温泉街

よくある質問(FAQ)
Q1. 東北地理は国内試験と総合試験のどちらで出題されますか?
国内旅行業務取扱管理者試験(CBT方式)と総合旅行業務取扱管理者試験(マークシート方式)の両方で出題されます。国内試験・総合試験の国内旅行実務科目の双方に地理が含まれており、東北の世界遺産・温泉・景勝地・祭りはいずれの試験でも頻出テーマです。
Q2. 白神山地は青森県と秋田県のどちらにありますか?
白神山地は青森県と秋田県の2県にまたがっています。世界自然遺産の登録区域は主に青森県南西部に集中していますが、「2県にまたがる」という事実が試験で問われるため、「青森だけ」と覚えないよう注意が必要です。
Q3. 東北三大祭りとはどの祭りですか?
東北三大祭りは「青森ねぶた祭」「秋田竿燈まつり」「仙台七夕まつり」の3つで、すべて8月に開催されます。山形花笠まつりを加えて「東北四大祭り」と呼ぶこともありますが、試験では「東北三大祭り」の構成を問う設問が多いため、まず3つを確実に覚えましょう。
Q4. 日本三景とは何ですか?東北からはどの景勝地が含まれますか?
日本三景は松島(宮城県)・天橋立(京都府)・宮島(広島県)の3か所です。東北からは松島が唯一含まれており、伊達政宗ゆかりの瑞巌寺(国宝)が近接しています。旅行業務取扱管理者試験では「日本三景の組み合わせとして正しいものを選べ」という形式で出題されることがあります。
Q5. 縄文遺跡群(世界文化遺産)に山形・宮城・福島は含まれますか?
「北海道・北東北の縄文遺跡群」は北海道・青森・岩手・秋田の4道県で構成されており、山形・宮城・福島の3県は含まれていません。「東北全体が含まれる」と誤解しやすいため、含まれない3県を明示的に覚えておくと引っかけ問題に対応できます。
Q6. 乳頭温泉郷と玉川温泉はどちらも秋田県にありますか?
はい、どちらも秋田県仙北市に位置しています。乳頭温泉郷は田沢湖高原の山中に点在する7つの一軒宿群で秘湯として有名です。玉川温泉は日本有数の強酸性泉として知られ、療養目的の湯治客が多く訪れます。どちらも試験で「秋田県の温泉」として問われる重要スポットです。
Q7. 旅行業務取扱管理者試験の国内地理で得点するコツはありますか?
国内地理は暗記科目のため、過去問を繰り返し解くことが最も効果的です。県別に一覧表を作成し、「世界遺産・景勝地・温泉・祭り」の4軸で整理してから白地図に書き込むと視覚的に定着します。通信講座では科目別の地図教材や音声講義が提供されており、移動中のながら学習にも活用できます。試験日程や受験手数料の最新情報は、国内試験については全国旅行業協会(ANTA)の受験案内でご確認ください。
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