旅行業務取扱管理者試験(総合)の令和8年度本番まで、いよいよ1週間です。試験日は2026年10月25日(日)10時30分開始、マークシート方式・指定会場での実施です。残り7日間の過ごし方が合否を左右します。新しい知識を詰め込むよりも、これまで学習してきた内容を正確に整理し直すことが最優先です。この記事では、直前1週間に絞った科目別最終確認ポイントと試験前日・当日の準備を体系的に解説します。

令和8年度 総合試験 残り7日間の全体スケジュール
試験日程・受験方式の最終確認
令和8年度 旅行業務取扱管理者試験(総合)の試験日は2026年10月25日(日)、開始時刻は10時30分です(一次ソース: 日本旅行業協会(JATA)令和8年度受験要項)。会場筆記・マークシート方式で実施されます。国内試験がCBT方式(テストセンターでのPC受験)に移行しているのとは異なり、総合試験は指定会場での集合試験です。この点は直前期になっても混同しやすいため、しっかり確認しておきます。
受験票に記載された会場・集合時刻を必ず再確認してください。試験直前になって「会場の場所を調べていなかった」というケースが毎年発生しています。前日のうちに交通手段とルートを確認し、乗り換えアプリや地図で所要時間を把握しておきます。遅延リスクを考慮して余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。
総合試験の科目は4科目です。旅行業法及びこれに基づく命令、旅行業約款・運送約款・宿泊約款、国内旅行実務、海外旅行実務(施行規則第12条第1項第1号~第4号)。合格には全科目での一定水準の得点が必要です。令和7年度の受験者数は4,519名、合格者は1,179名、合格率は26.1%でした(一次ソース: JATA 令和7年度実施結果)。
残り7日間の学習配分の考え方
残り1週間は「既習事項の精度を上げる期間」と位置づけます。未知のページを直前に開くと覚えた情報が既習内容と混同します。通信講座のテキストや過去問ですでに手をつけた範囲を繰り返すことに集中します。
1日ごとの配分例としては、試験7日前は法令科目の数値・条番号の確認、6日前は約款科目の計算問題演習、5日前は国内旅行実務、4日前は海外旅行実務、3日前は模擬試験1セットと採点・復習、2日前は全科目の弱点補強、前日は軽い確認と当日準備という流れが参考になります。自分の弱点科目に応じて調整してください。
直前期に「やらないこと」を決める
直前1週間で特に大切なのは、「やらないことを明確にする」ことです。試験範囲が広い総合試験では、全範囲を完璧にカバーしようとすると仕上げきれません。過去問の出題傾向から出題確率が低い論点は思い切って後回しにし、頻出論点の精度を上げることに集中します。
また、直前期の睡眠時間を削った深夜学習も逆効果です。試験本番のパフォーマンスは睡眠の質に直結します。前日は早めに学習を切り上げ、7時間以上の睡眠を確保することをお勧めします。
科目別 最終1週間の重点確認ポイント
各科目の出題傾向と得点源の把握
総合試験の4科目のうち、旅行業法・約款は定義・条文番号・行政庁などの知識問題が中心です。国内旅行実務はJR運賃・料金計算、国内地理、宿泊料金の計算問題が主要出題分野です。海外旅行実務は国際航空運賃計算(NUC・MPM・TPM・ROE)、出入国法規、査証(ビザ)、時差計算、海外地理が問われます。
残り1週間では、自分の得意科目で確実に得点を積み上げつつ、苦手科目でも最低限の得点を確保することが基本戦略です。全科目で合格水準に達することが必要なため、特定の科目を完全に捨てることはできません。苦手科目ほど、頻出の基本問題に絞って確認します。
過去問演習での注意点
直前1週間の過去問演習では、「解けなかった問題の答えを覚える」ことよりも「なぜその選択肢が正解か・不正解かの根拠を言語化できるか」を確認します。答えを暗記しただけでは類似した出題パターンに対応できません。解説を読んで根拠を理解することが重要です。
計算問題は計算手順を声に出しながら確認することが効果的です。紙に書いて手を動かすことで本番での計算ミスが減ります。直前期でも計算問題は毎日数問実際に解くことをお勧めします。
旅行業法・法令科目 直前総まとめ
よく出る数値と条番号の最終確認
旅行業法の数値は、試験本番で正確に答える必要があります。以下は確認必須の代表的な項目です。
| 項目 | 総合 | 国内 | 地域限定 |
|---|---|---|---|
| 受験手数料(令和8年度) | 13,000円(非課税) | 8,000円(非課税) | 5,500円(収入印紙) |
| システム利用料 | 660円(税込) | 660円(税込) | なし |
| 令和8年度 試験日 | 10月25日(日)10:30 | 9月3日(木)~25日(金)から選択 | 9月27日(日)13:30 |
| 令和7年度 合格率 | 26.1% | 34.1%(全科目) | — |
| 営業保証金(最低額・別表第一) | 第1種7,000万円・第2種1,100万円・第3種300万円・地域限定15万円 | ||
| 基準資産額(施行規則第3条) | 第1種3,000万円・第2種700万円・第3種300万円・地域限定100万円 | ||
| 弁済業務保証金分担金 | 営業保証金の5分の1(第1種1,400万円・第2種220万円・第3種60万円・地域限定3万円) | ||
受験手数料は2026年8月時点の確定値です(一次ソース: JATA令和8年度受験要項・ANTA受験案内・観光庁令和8年度受験案内)。営業保証金と基準資産額は別の数値であり、混同しないよう注意します。「第2種の営業保証金は700万円」は誤りで、700万円は基準資産額(施行規則第3条第2号)です。第2種の営業保証金は1,100万円です。
弁済業務保証金分担金は営業保証金の「5分の1」です(観光庁「旅行業法概要」)。「10分の1」は誤りです。第1種なら7,000万円÷5=1,400万円と検算します。
行政庁・法的性質・選任基準の正確な理解
旅行業務取扱管理者試験の実施主体は観光庁長官です(法第11条の3第1項)。JATAやANTAは旅行業協会が申請することにより観光庁長官から試験事務を行わせてもらう機関であり(法第69条第1項)、「指定試験機関」という表現は旅行業法に存在しません。また、旅行業協会の指定も観光庁長官が行います(法第41条第1項)。旅行業法の現行条文に「国土交通大臣」は0件であり、行政庁は「観光庁長官」が正しい表現です。
旅行業務取扱管理者の選任基準は、登録種別(第1種・第2種・第3種・地域限定)ではなく、その営業所が取り扱う旅行の範囲で決まります(法第11条の2第6項の3区分)。「第1種には総合管理者が必要」という断定は誤りです。本邦内の旅行のみを取り扱う営業所であれば、第1種旅行業者でも国内旅行業務取扱管理者を選任できます。逆に、第3種・地域限定旅行業者でも海外を含む旅行を取り扱う営業所には総合管理者が必要です。
登録拒否事由と罰則の整理
登録拒否事由は法第6条第1項に11号が規定されています。直前期に確認すべき頻出論点は、取消し後5年(1号)、拘禁刑以上または旅行業法違反の罰金の執行後5年(2号)、暴力団員等(3号・8号)、管理者を確実に選任すると認められない者(9号)、財産的基礎(10号)などです。
選任義務違反の効果は、違反の名宛人が事業者(旅行業者等)である点を正確に押さえます。登録拒否(第6条第1項第9号)・新たに選任するまでの契約締結禁止(第11条の2第2項)・30万円以下の罰金(第79条第3号・第4号)が主な効果です。旅行業法には無資格者個人の業務を禁じる規定や処罰する規定は存在しません。
約款科目 直前で差がつく暗記法
約款は唯一免除されない科目
旅行業約款・運送約款・宿泊約款の科目は、総合・国内・地域限定のすべての試験区分で免除がありません(JATA令和8年度受験要項の区分A~H・ANTA受験案内の免除A~Cのいずれの区分でも受験科目)。国内合格者が総合を受験する際に免除されるのは「法令」と「国内旅行実務」の2科目(施行規則第20条第1号)であり、約款は免除されません。
科目免除を受けるには申請が必要です(施行規則第13条第2項)。資格を証する書類の添付・証書番号の入力が必要であり、申請しなければ全科目受験になります。JATAの受験要項では画像アップロードまで行わなければ免除が適用されません。免除を申請した受験者は、受験票で免除科目を確認します。
取消料・変更補償金の数値を整理する
約款科目では、取消料・変更補償金・特別補償の金額と日数が頻出です。標準旅行業約款の数値は試験本番でも計算に使います。
- 募集型企画旅行の取消料:旅行開始日の前日から起算した日数によって割合が変わる。旅行当日の取消は100%
- 変更補償金:変更が確定した時期(旅行開始前・旅行開始後)と変更の内容で1件あたりの補償額が異なる
- 特別補償:死亡補償金は1,500万円(企画旅行参加中の事故による死亡・後遺障害に適用)
- 宿泊約款の取消料:宿泊当日の取消・不泊は100%(1泊2日以上の旅行では段階的な割合が設定される)
これらの数値は通信講座のテキストや標準旅行業約款で確認します。直前期は計算式のパターンを声に出して確認し、取消料の計算手順を体で覚えることが重要です。
宿泊約款・運送約款の頻出チェックポイント
宿泊約款では、ホテル・旅館の区別、消費税・サービス料の取り扱い、宿泊拒否事由(旅館業法が定める3事由)、料金の構成が頻出です。宿泊料金の計算問題では、消費税率(10%)・サービス料の取り扱いを正確に把握します。
運送約款では、航空運送約款のチェックインタイム、手荷物の規定(重量・サイズ)、変更・取消条件、オーバーブッキングが出題されます。直前1週間では宿泊料金と取消料の計算問題を必ず数問演習します。
国内旅行実務・海外旅行実務 最終確認
国内旅行実務 JR運賃計算の最終チェック
国内旅行実務の計算問題では、JR運賃・料金計算が最重要です。営業キロ・換算キロ・擬制キロの使い分け、運賃表から運賃を引く手順、特急料金・新幹線料金の加算方法を確認します。特に、乗車区間が複数路線にまたがる場合の計算手順を整理しておきます。
国内地理では、都道府県別の主要観光地・温泉地・交通機関の位置関係が出題されます。直前1週間では全都道府県を一から確認する余裕はありません。過去問で出題頻度が高い温泉地(草津・別府・伊香保・有馬・道後・登別など)、世界遺産(富士山・屋久島・白川郷・知床など)、国立公園の位置関係に絞って最終確認します。
海外旅行実務 国際航空運賃と出入国法規の整理
海外旅行実務では、国際航空運賃(NUC・MPM・TPM・ROE)の計算問題、出入国法規、査証・電子渡航認証の概要、時差計算が頻出です。時差計算は計算手順(標準時・東回り・西回りの考え方)を完全に身につけることが必須です。本番でも計算用紙を使って丁寧に解く習慣をつけておきます。
出入国法規では、旅券(パスポート)の種類・有効期間・申請手続き(旅券法)、査証(ビザ)・電子渡航認証(ETAやESTAなど)の概要、出入国カードの記載事項、入国審査・税関申告の手続きが出題されます。各国の入国条件は試験範囲に含まれますが、最新情報は毎年変わるため、過去問に出ている基本的な論点を押さえます。
苦手な計算問題への対処法
計算問題で得点を取るためには、本番で時間をかけすぎないことが重要です。1問あたりの目安時間をあらかじめ決め(計算問題は2分以内など)、解けない問題は後回しにして先に進む意識を持ちます。試験時間全体の時間配分を把握しておき、計算問題は最後にまとめて解く戦略も有効です。
直前1週間の計算問題演習では、1問解くごとに計算式・計算過程を紙に書くことを習慣にします。試験本番でも同じやり方で解くことでミスが減ります。本番では問題用紙の余白を積極的に活用し、解答欄に記入する前に計算結果を確認します。
試験前日・当日の過ごし方完全ガイド
前日は「新規インプット禁止」で過ごす
試験前日は、新しい知識を入れることをやめ、これまで学習した内容の最終確認に徹します。間違えやすかったポイントをまとめたメモや、通信講座の要点一覧を軽く眺める程度にとどめます。前日になって新しいテキストを開くと、直前に覚えた情報が本番で既習内容と混同する原因になります。
前日の学習は18時~19時ごろには終わらせ、その後はリラックスする時間を取ります。入浴・軽いストレッチ・好きな音楽などでリラックスし、23時前後には就寝することをお勧めします。睡眠不足は当日の集中力と記憶の引き出し能力を大きく落とすため、前日の睡眠確保を最優先にします。
当日の持ち物チェックリスト
当日の持ち物は前日のうちに確認・準備します。受験票に持ち物や禁止事項が明記されているため、必ず事前に確認します。
- 受験票(写真貼付が必要な場合は前日までに準備)
- 鉛筆 数本(HB・B推奨。シャープペンシルは会場ルールを事前確認)
- 消しゴム(よく消えるタイプ)
- 時計(アナログ・デジタル可。通信機能なし・スマートウォッチは不可の場合あり)
- 身分証明書(受験票に記載の必要書類を確認)
- 会場へのアクセス情報(印刷またはオフライン地図)
- 飲み物・軽食(試験時間が長い場合の補給用・会場ルールに従う)
- マスク等(会場の感染症対策ルールを確認)
試験当日の時間配分と解答の進め方
試験開始後の時間配分は、試験時間と問題数を事前に把握したうえで計画します。得点しやすい科目から先に解き、計算問題など時間がかかる問題は後回しにするという戦略が一般的です。最後の見直し時間を5~10分確保することを意識して解答ペースを調整します。
マークシートの記入では、問番号・解答欄の確認を徹底します。マークシートのずれは致命的なミスになります。各科目の解答欄に移るたびに番号を確認する習慣をつけ、見直し時間にマーク漏れも確認します。
通信講座受講者の直前期活用法
テキストより模擬試験・演習問題を優先する
通信講座を受講している場合、直前1週間はテキストの通読より模擬試験・演習問題の反復に切り替えます。多くの通信講座では本番形式の模擬試験が付属しています。1回分をまとめて解いて採点し、間違えた問題の解説を読んで根拠を確認する、という流れを繰り返します。
通信講座に付属の要点まとめ・暗記カードがある場合は、隙間時間(通勤時間・昼休みなど)にフル活用します。直前期に講座の動画を一から見直すよりも、コンパクトにまとまった要点資料で確認する方が効率的です。
質問サービスの活用と試験後のステップ
多くの通信講座では、試験日前日まで質問サービスを受け付けています。直前期に疑問が生じたら積極的に活用します。特に計算問題の解き方や法令の解釈が曖昧な点は、曖昧なまま本番を迎えるより確認してから臨む方が得点安定につながります。
試験後は合格発表まで待機期間が生じます。令和8年度総合試験の合格発表はJATAが発表します。合格証書の受け取り・科目合格証明・ステップアップについては、合格発表後に改めて確認します。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 残り1週間で新しいテキストを購入すべきですか?
直前1週間での新規テキスト購入は原則として避けることをお勧めします。新しいテキストに書かれている内容と、これまで使用してきたテキストの内容が重複または微妙に異なる場合、混乱を招く可能性があります。今持っている教材を最後まで使い切ることが最優先です。どうしても補強したい論点があれば、JATA・ANTAの公式受験要項や観光庁のウェブサイトを参照します。
Q2. 試験当日にスマートフォンは使えますか?
試験会場では原則としてスマートフォン・タブレットの使用が禁止されています。受験票に記載の持ち物・禁止事項を事前に確認し、試験中は電源を切るかカバンにしまいます。時計はスマートフォンに代えてアナログまたはデジタル時計を持参します。スマートウォッチは通信機能があるとみなされる場合があるため、会場ルールを確認します。
Q3. 約款科目が苦手です。残り1週間で何から始めるべきですか?
約款科目が苦手な場合、まず取消料の計算問題を1問ずつ正確に解けるよう練習します。取消料は出題頻度が高く、計算パターンが決まっているため習得しやすい分野です。次に標準旅行業約款の構造(募集型・受注型の違い、変更補償金の仕組み)を整理し、宿泊約款・運送約款の頻出ポイントを確認する順番で進めます。約款はどの区分でも免除されない科目のため、最低限の得点確保を目標にします。
Q4. 国内合格者は総合でどの科目が免除されますか?
国内旅行業務取扱管理者試験の合格者が総合試験を受験する場合、免除されるのは「法令(旅行業法及びこれに基づく命令)」と「国内旅行実務」の2科目です(施行規則第20条第1号)。約款科目は免除されません。免除を受けるには申請と資格を証する書類の提出が必要です(施行規則第13条第2項)。申請しなければ全科目受験になります。
Q5. 試験本番でマークシートのミスを防ぐにはどうすればよいですか?
マークシートのずれ(問番号のズレ)は最も危険なミスです。防ぐ方法として、各問題を解き終えた直後にその問番号の解答欄に記入する(まとめ記入しない)、科目が変わるたびに解答欄番号を指で確認する、見直し時間にマーク漏れ・重複マークを確認する、という手順が有効です。練習段階から本番と同じ手順で解答することをお勧めします。
Q6. 科目免除の申請を忘れていた場合、本番当日に対応できますか?
科目免除は受験申込時に申請が必要です(施行規則第13条第2項)。申請しなかった場合は全科目受験になります。試験当日に会場で免除を申し出ても対応はできません。既に申込が完了している場合は、受験票の内容で免除科目が正しく反映されているか確認します。
Q7. 合格発表はいつ、どこで確認できますか?
令和8年度 総合旅行業務取扱管理者試験の合格発表はJATA(日本旅行業協会)が公式に発表します。発表時期・方法・合格証書の交付手続きは、JATAの公式ウェブサイトおよびJATAから送付される案内をご確認ください。試験実施年度によって発表時期は異なるため、正確な日程は受験要項または公式サイトでご確認ください。
旅行業務取扱管理者試験について、通信講座を活用した効率的な学習法は旅行業務取扱管理者通信講座のすすめもご参照ください。

