旅行業務取扱管理者試験の合格を目指すなら、10月からの通信講座スタートは国内試験(翌年9月)にも総合試験(翌年10月)にも十分な学習期間を確保できる理想的なタイミングです。令和8年度の総合試験(10月25日)が終わった直後の今こそ、令和9年度合格へのスタートラインです。本記事では10月スタートの学習ロードマップ・通信講座の選び方・科目別の進め方を体系的に解説します。

10月スタートが令和9年度合格への最適なタイミングである理由
試験日程から逆算すると学習期間は11か月以上確保できる
旅行業務取扱管理者試験のうち国内試験はCBT方式で例年9月に実施され、総合試験は例年10月に実施されます(令和8年度は国内9月3日~25日・総合10月25日)。10月に学習を始めた場合、翌年9月の国内試験まで約11か月、翌年10月の総合試験まで約12か月の期間があります。令和9年度の正確な日程は全国旅行業協会(ANTA)・日本旅行業協会(JATA)・観光庁の受験案内が発表されてから確認してください。
多くの受験者が直前の3か月~6か月で準備を始める傾向がありますが、4科目(旅行業法令・約款・国内旅行実務・海外旅行実務)の範囲の広さを考えると、時間に余裕のある時期から始めることが合格確率を高めます。10月スタートは「急ぎすぎず・直前になりすぎない」学習計画の出発点として優れています。法令・約款・国内実務・海外実務の4科目を無理なく仕上げるには、段階的な積み上げが欠かせないからです。
通信講座の受講期間を最大限に活かせる
旅行業務取扱管理者向けの通信講座には受講期間を6か月・8か月・12か月から選べるものや、最長12か月の受講を想定して設計されたものがあります。10月に申込むと、翌年9月の国内試験または10月の総合試験に合わせて受講期間をぴったり使い切ることができます。受講期間に余裕があれば、理解の難しい科目に追加の時間を投資できるうえ、繁忙期や体調不良で学習が遅れた場合のリカバリー時間も確保できます。
通信講座によっては受講期間の延長サービス(1か月・3か月単位など・有料)を提供しています。10月スタートであれば延長なしで試験本番まで届く可能性が高く、追加費用を抑えられます。さらに、教材の年度更新が行われる講座では最新の受験要項や法改正に対応した内容で学ぶことができ、試験に即応した知識を維持しやすくなります。
10月スタートで選べる試験ルートと合格戦略の選び方
国内旅行業務取扱管理者試験を最初のゴールにするルート
10月から勉強を始めて翌年9月のCBT試験(国内)を受験するルートは、合格ラインが3科目(旅行業法令・約款・国内旅行実務)にとどまるため、初受験者が最初に選ぶ選択肢として現実的です。令和7年度の国内試験合格率は全科目受験で34.1%(ANTA発表)と、総合試験(令和7年度26.1%・JATA発表)より高い水準にあります。
国内試験はCBT方式(全国47都道府県のテストセンターでのPC受験)のため、9月の期間内で自分の学習進捗に合わせて受験日を選べる点も、10月スタートとの相性が良いです。まず国内試験に合格し、翌年度の総合試験に向けて学習を継続するステップアップ戦略が取れます。受験手数料は国内8,000円(非課税)+システム利用料660円(税込)です(2026年8月時点)。
総合旅行業務取扱管理者試験を直接目指すルート
10月スタートで翌年10月の総合試験を目指す場合、約12か月の学習期間があります。総合試験は4科目すべて(旅行業法令・約款・国内旅行実務・海外旅行実務)が必要で、特に海外旅行実務は航空運賃の計算・出入国法規・時差計算など独特の出題形式があります。12か月の準備期間があれば、この科目の演習時間を十分に確保できます。旅行業界への就職・転職を目指す場合や、旅行会社の営業所で選任管理者として活躍したい場合は、最初から総合試験を目指すほうが効率的です。受験手数料は13,000円(非課税)です(2026年8月時点)。
国内→総合の2年間ステップアップ戦略と科目免除の活用
国内試験に合格すると、翌年以降の総合試験で「法令」と「国内旅行実務」の2科目が免除されます(施行規則第20条第1号)。2科目免除を受けることで、総合試験本番では「約款」と「海外旅行実務」の2科目のみに集中できます。この免除は申請が必要で、JATA受験申込時に合格証書番号の入力と画像アップロードをしないと全科目受験になります(施行規則第13条第2項)。2年間かけて確実にステップアップする戦略は、仕事・育児・介護と学習を両立する社会人にとって合格のリスクを分散させる現実的な選択です。
| 目指す試験区分 | 受験時期(例年) | 試験方式 | 受験手数料 | 10月スタートからの準備期間 |
|---|---|---|---|---|
| 国内旅行業務取扱管理者 | 9月(CBT期間内から選択) | CBT・全国テストセンター | 8,000円+システム利用料660円(2026年8月時点) | 約11か月 |
| 総合旅行業務取扱管理者 | 10月(指定会場) | マークシート | 13,000円(2026年8月時点) | 約12か月 |
| 地域限定旅行業務取扱管理者 | 9月下旬(指定会場) | 会場筆記 | 5,500円(収入印紙)(2026年8月時点) | 約11か月 |
通信講座を選ぶポイント(10月スタート向けの確認事項)
受講期間と試験本番日の整合性を確認する
通信講座の受講可能期間は講座によって異なります。10月申込で翌年9月(国内)または10月(総合)の試験まで受講できることを確認してください。なかには申込から6か月・12か月単位で受講期間が設定されており、申込時期によっては試験本番が受講期間外になるケースもあります。申込前に「10月申込で翌年○月の試験まで学習サポートを受けられるか」を確認するのが重要です。
また、修了要件(添削課題の提出数・修了テストの受験など)が設定されている講座では、受講期間内に修了認定を受けないと教育訓練給付金を申請できない場合があります。給付金活用を検討している場合は修了要件の内容も事前に確認してください。
目指す試験区分(国内・総合)への対応と科目設計を確認する
旅行業務取扱管理者の通信講座には「国内試験専用」「総合試験専用」「国内・総合両対応」の3タイプがあります。10月スタートでどちらの試験を目指すかを先に決め、対応した教材を選んでください。将来的に国内から総合へのステップアップを検討しているなら、両対応コースや追加受講が可能な講座を選ぶと、後から別の通信講座を一から申込む費用を省けます。国内と総合の両方に対応した講座は、国内試験合格後に海外旅行実務の単元を追加で受講できる設計になっているものが多く、スムーズにステップアップできます。
10月~12月(第1フェーズ)旅行業法令と約款の土台を固める
旅行業法令の骨格理解を最優先にする
通信講座の最初の単元は多くの場合、旅行業法令です。旅行業法令科目は登録制度・管理者制度・営業保証金・旅行業協会・行政処分など試験全体の「制度の骨格」を扱います。この科目をしっかり理解することで、他の科目の背景知識も整理しやすくなります。10月~12月の3か月間でこの科目の基礎を完成させることを目標にしてください。
学習のポイントは条文の丸暗記ではなく「誰がどの義務・権限を持つか」の関係を整理することです。旅行業者等に課される営業所ごとの管理者選任義務(法第11条の2第1項)と、その選任基準が登録種別ではなく営業所が取り扱う旅行の範囲によって決まること(法第11条の2第6項の3区分)は多くの受験者がつまずきやすい論点です。試験は観光庁長官が行い(法第11条の3第1項)、JATA・ANTAが申請して試験事務の代行を行う仕組み(法第69条第1項)も頻出ポイントです。通信講座の解説音声・映像講義をくり返し聴いて整理してください。
営業保証金の数字は出題頻度が高く、施行規則別表第一に定める最低額(第1種7,000万円・第2種1,100万円・第3種300万円・地域限定15万円)を正確に覚える必要があります。弁済業務保証金分担金は営業保証金の5分の1の額(観光庁「旅行業法概要」)で、基準資産額(施行規則第3条)とは別の概念です。これらを混同しないよう、通信講座のテキストで表ごと整理してください。
約款3科目は免除なし科目として早期着手する
旅行業務取扱管理者試験の約款科目(旅行業約款・運送約款・宿泊約款)は、国内・総合・地域限定のどの試験区分でも免除制度がありません(JATA令和8年度受験要項・全区分確認済み)。試験区分を問わず全員が受験する科目のため、10月スタートの早い段階で着手しておくとあとあとの学習に余裕が生まれます。
標準旅行業約款は企画旅行・手配旅行の取消料や変更補償金など数字を問う出題が多く暗記コストがかかります。11月~12月の段階では「枠組みの理解」に集中し、細かい金額の暗記は通信講座の添削課題に取り組みながら少しずつ定着させていく方法が効果的です。宿泊約款・運送約款も出題されるため、旅行業約款だけに偏らず3種類を並行して学習するようにしてください。
1月~4月(第2フェーズ)実務科目の演習で得点力をつける
国内旅行実務に集中して観光地理と宿泊を攻略する
1月から4月は国内旅行実務の学習に重点を置く時期です。国内旅行実務では国内観光地理(世界遺産・国立公園・温泉・名所旧跡など)が毎年出題されます。都道府県ごとの主要観光スポットをまとめた通信講座の一覧表や地図を使い、視覚的に覚えていく方法が効果的です。宿泊施設については旅館業法の施設区分と標準宿泊約款の構造を押さえ、料金計算の出題パターンを繰り返し演習して対応力をつけてください。
総合試験を目指す場合は、国内旅行実務の学習が軌道に乗った2月~3月頃から海外旅行実務の学習を並行して始めることをお勧めします。海外旅行実務は出入国法規(旅券・査証)・国際航空運賃・時差計算など独自の内容が多く、最後に残すと消化しきれないリスクがあります。通信講座の単元進捗を管理しながら計画的に進めてください。
過去問演習を開始して弱点科目を見える化する
2月頃から通信講座のテキスト学習と並行して過去問演習を開始すると、自分の弱点科目が明確になります。弱点科目が判明したら、通信講座のその単元に戻って再読し、類似問題を解き直すサイクルを作ってください。過去問は最低でも過去3か年分を解くことで、出題傾向と頻出論点を把握できます。通信講座の質問サポートは、過去問演習で「なぜこの解答になるのか」理解できない問題を解消するために積極的に活用してください。通信講座の演習量を補完したい場合は市販の問題集を追加するのも効果的です。
5月~試験直前(第3フェーズ)模擬試験と弱点補強で仕上げる
模擬試験で本番の時間配分と弱点を確認する
5月以降は、通信講座に附属の模擬試験や添削答案に取り組んで本番形式の演習を積みます。模擬試験は「時間内に解き切る訓練」と「解けなかった問題の分析」の2つの目的で活用します。解けなかった問題は科目・論点ごとに記録し、残りの学習期間にどの科目に時間を投入するかの判断材料にしてください。国内試験(9月)を目指す場合は7月下旬~8月が実質的な最終追い込み期間です。この時期に模擬試験の正答率が安定していない科目に残り時間を集中させます。
受験直前1か月のチェックリスト
- 3科目(国内試験)または4科目(総合試験)の頻出論点を通信講座テキストで最終確認した
- 受験申込の手続きを完了し、受験票(CBT方式は予約確認書)を確保した
- 法令・約款の重要数字(受験手数料・保証金額・取消料の日数・変更補償金の割合など)を整理した
- 国内旅行実務の主要観光スポット・温泉・世界遺産を地図で確認した
- 総合試験受験者は海外旅行実務の時差計算・国際航空運賃計算の手順を最終確認した
- 科目免除を申請する受験者は前回試験の合格証書と証書番号を手元に用意した
- 試験会場(CBTテストセンターまたは指定会場)へのアクセスと所要時間を確認した
11か月間の学習継続を支える通信講座の活用術
繁忙期を見越したゆとりあるスケジュール設計
10月から翌年9月・10月まで学習を続けるには、年間の繁忙期(年末年始・3月末・5月連休・夏季繁忙期)をあらかじめ計画に組み込むことが重要です。繁忙期に無理に学習量を維持しようとすると、途中で挫折するリスクが高まります。繁忙期は1日15分程度の軽いインプット(テキスト読み返し・音声聴講)にとどめ、繁忙期明けにキャッチアップする設計にすると無理なく継続できます。通信講座の映像講義を倍速再生できる機能は、こうした時間が限られる時期に特に役立ちます。
月1回程度スケジュールを振り返り、遅れている科目の学習時間を翌月に再配分する習慣をつけてください。長期の学習では計画の「見直し」が継続の鍵です。通信講座によっては学習の進捗をアプリやウェブ上で管理できるシステムがあり、こうした仕組みを活用すると11か月間の学習が効率よく管理できます。
通信講座の延長制度と質問サポートを上手に使う
体調不良・急な異動・家族の介護など予測できない出来事で学習が滞ることもあります。通信講座によっては受講期間の延長(1か月・3か月単位・有料)や次年度試験に向けた教材更新・再受講の制度を用意しているものがあります。申込前に「受講期間内に修了できなかった場合の対応」を確認しておくと万一のときに慌てずに済みます。
旅行業法の登録要件・管理者の選任基準(法第11条の2)・約款の数字など複雑な論点は、テキストだけでは整理しにくい場合があります。通信講座の質問サポートは疑問を持ち越さないために積極的に活用してください。一つの疑問を解消することで、関連する論点の理解が一気に整理されることも多いです。
PR
ユーキャンの国内・総合旅行業務取扱管理者 速習レッスン 2026年版
通信講座と並行して使える補助テキスト。法令・約款・実務を体系的にまとめた構成で、10月スタートの基礎固め期に内容を整理するのに役立ちます。
PR
2026年度試験 観光・旅行教科書 旅行業務取扱管理者【総合・国内】テキスト&問題集 第6版
総合・国内どちらにも対応したテキストと問題集が1冊にまとまっています。通信講座の演習量を補完したい1月~4月の実力養成期に活用すると効果的です。

よくある質問(FAQ)
Q. 10月から始めて翌年の試験に本当に間に合いますか?
国内試験(翌年9月)まで約11か月、総合試験(翌年10月)まで約12か月の学習期間があります。4科目(総合)または3科目(国内)の試験範囲を体系的に学ぶために十分な期間です。通信講座のカリキュラムに沿って計画的に学習を進めれば、余裕を持って試験に臨める水準の実力が身につきます。
Q. 国内と総合のどちらから受験するべきですか?
旅行業界への就職・転職を急いでいる場合は総合試験を直接目指すほうが効率的です。初受験で確実に合格実績を積みたい場合や、仕事・育児との両立が必要な場合は、まず国内試験に合格してから翌年度の総合試験に臨む2年間戦略が安心できます。国内合格後に総合試験を受ければ「法令」と「国内旅行実務」の2科目が免除されます(施行規則第20条第1号)。
Q. 令和8年度の総合試験を受けたばかりです。合否発表前から次の準備を始めてよいですか?
合否発表前でも学習の再スタートは可能です。令和8年度の総合試験(10月25日)の合否発表は例年12月頃に行われます。試験直後に感じた「もう少し強化したかった科目」を振り返り、その科目から学習を再開することが効率的です。合否発表後の11月・12月に通信講座を申込んでも、翌年10月の総合試験まで10か月以上の学習期間を確保できます。
Q. 通信講座は科目免除の申請に対応していますか?
科目免除の申請手続きは受験者本人がJATA・ANTA・観光庁の受験申込時に行うもので、通信講座が代行するものではありません。国内試験の合格証書を保管し、総合試験申込時に証書番号の入力と画像アップロードを行ってください。申請しないと全科目受験になります(施行規則第13条第2項)。通信講座によっては免除申請の手順について質問窓口で案内している場合があります。
Q. 10月スタートで国内と総合を同じ年に受験することはできますか?
同じ年の9月(国内)と10月(総合)に両方受験することは制度上可能です。ただし、国内試験の合格証書は総合試験申込後に届くため、同年度の総合試験では国内合格による科目免除を申請できません。また4科目分の学習を並行する負担は大きいため、1年目は国内1本に集中して翌年度の総合試験で科目免除を活用するほうがリスクを分散できます。
Q. 通信講座を受講せず市販テキストだけで合格できますか?
市販テキストと問題集のみで合格した受験者も一定数います。通信講座のメリットは添削指導・映像講義・質問サポートによる独学では得にくい理解の深さと学習継続のしやすさにあります。10月スタートで11か月間の学習を継続するには、計画管理のサポートがある通信講座のほうが挫折リスクを減らせます。市販テキストと通信講座を組み合わせて演習量を増やす方法も効果的です。

